オンラインアドレスについて

 本書は90年代の非本流文化のリファレンスブックであり、インターネットを利用する日本で初めてのハイパーテキストブックです。本書のテキストはこのWEBにすべて公開され、各キーワードはリンクされ、関連するWEBはすべてダブルクリックするだけで、果てしのない情報の宇宙をサーフィンすることができます。

 オンライン上では「アイコラ」から「スマートドラッグ」、「日本共産党」から「ゴアトランス」まで、あるとあらゆるテーマについて、情報を参照するだけでなく、コンタクトをとったり、討論することができます。
 最近では日本語のホームページも相当充実してしてきています。企業広告などでもURL(アドレス)を掲載するのは当然になり、雑誌、ミニコミ、フライヤーなどたびたび見かけるようになってきました。しかも一時の、時流に遅れないようにとりあえず開設しましたと形だけのものが淘汰され、またそれぞれ情報のフィードバックを反映させて改良された特長のあるWEBが相当の数増えてきています。とりわけホビー、ファンジン分野の個人のホームページの充実ぶりは目を見張るべきものがあります。
 本書のリンクをたどっていけば、必ず目的のディープな情報の核に到達するといえるでしょう。またスティーブン・デイリー&ナサニエル・ワイス編による米版「alt.culture」(英語)のURLは以下の通りです。

http://www.altculture.com

 また本書の各キーワードに付記されたURL(アドレス)は、97年9月末にサーチして確認したものですが、実はインターネットの大海の流動は激しく、今日あったホームページが明日はないということも少なくありません。そこで扱われている情報が、イリーガルであるがゆえに毎日のように居場所を移しているものも数多いのです。だからこそインターネット上の島宇宙が、均衡を保たず絶えず流動し生成消滅を繰り返して、特別でダイナミックな情報系を成立させているわけですが。
 ですから残念ながら、本書に掲載されているURLが長い間にわたって有効なわけではありません。

検索エンジンという魔法のツール

 でも心配するには及びません。実は検索エンジンという魔法のツールがあるのです。この素晴らしさはぜひ野口悠紀雄著「超整理法」(中公新書) に特記されるべきものです。
 しかもよく知られているYahoo!Japanだけではなく、さらに強力な日本語の検索エンジンが続々と登場しています。本書のキーワードや言葉を次に紹介するの検索エンジンでサーチすることによって、簡単に目的とする最新のURLを得ることができます。実はちょっとしたサーチの使い方とコツをつかんでしまえばイリーガルな情報も簡単に得ることができます。酒鬼薔薇聖斗の姿も本名も、菅野美穂の写真集「NUDITY」の中身も(発売当日に)、そうやってみんな探し出しました。

 このような検索エンジンはカタログ・インデックス型とキーワード・インデックス型の2種類に大きく分けることができます。検索エンジン攻略の近道は、この2種類の特長を知って使い分けることです。
 カタログ・インデックス型というのはページの内容によってカテゴリーごとにインデックスを作り、その中に該当すると思われるページを登録していく方式です。日本語で検索ができるエンジンには、次のようなものがあります。

■カタログ・インデックス型

Yahoo! Japan(Yahoo!, ソフトバンク)
あちゃらNavi(リクルート)
DRAGON(Japan Search Engine)
CSJインデックス(CyberSpace Japan)

 カタログ・インデックス型では、人間がそのページを実際に見て「このページはここ」といった具合に内容でカテゴリーを分けています。一つのサイトに複数のカテゴリーが与えられることもあります。また、分類されたページにはそのページを紹介する短いテキストが付けられることが多く、キーワード検索はこの紹介テキストに対して行われます。
 おおまかな内容や方向性でページを探したい場合はカタログ型が頼りになります。特にオフィシャルなWEBページを探すときはこのタイプが早いでしょう。

 もうひとつのキーワード・インデックス型というのは、あちこちのWEBページ内のテキストをスパイダー・ロボットという自動ダウンロード・プログラムで集め、知りたいキーワードがその中にあるかどうかを検索させるというものです。
 つまり、こちらの方式ではページ全体の内容や意味というよりも、単純にそのページのテキスト中に該当する言葉が含まれているかどうかを探し出すのです。キーワード型には次のような所があります。

■キーワード・インデックス型

Infoseek Japan(Infoseek)
goo(NTT, Inkutomi)
Infonavigator(富士通)
Japanese OpenText(日商岩井)
NETPLAZA(NEC)

 他の人が知らないようなディープな話題やあまり表立って話せないテーマなどを調べたい場合は、こちらのタイプがいいでしょう。登録されているWEBサイトは自動プログラムでかたっぱしから集めてきたものですから、反社会的な内容だろうが人目につきにくい所にかくしてあったページだろうが、すべて検索の対象にしてしまうのです。登録されているWEBページの数もカタログ式より相当多いと考えられます。そのかわり、文脈を無視して検索をかけるわけなのでヒットミスも多く、なかなか目的のページにたどり着かないといったことも起こります。

 サーチエンジンの世界も日進月歩で、ここにあげた方法以外にも新しい技術が次々と発表されています。カタログ・インデックス型とキーワード・インデックス型を統合させてあいまいな用語でも検索できるエンジンも出てきているようですが、基本はやはりこのふたつを上手く使い分けることです。とりあえずは、それぞれの代表格であるYahoo! JapanとInfoseekをブックマークに登録しておきましょう。何かについて急いで調べたいときやオフィシャルな情報が欲しいときはカタログ型、じっくりと深く探したいときにはキーワード型と覚えておけば大丈夫です。  またオルタブックスのWEB上では、キーワード同士のリンクが張ってありますが、それぞれの本文中に使われている言葉で、他のキーワードの本文中に出てくる言葉もかなりあります。それなどはインデックス型の検索エンジンを使うと簡単に発見できます。

 さて最後に、もしもインターネットの方法がまったくわからないという方には、もっとも簡単にしかも壺を押さえた最高のインターネット講座を紹介しておきましょう。それは国民的マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」103巻(集英社)に巻末6ページにあります。ルビ付きで当然小学生にもわかるようにシンプルかつ必要最小限の的確な説明がしてあります。390円。


本書のデータをWEBに掲載するにあたって、検索エンジンの一覧を追加しました。ここからすぐに知りたいキーワードで検索することができます。ぜひ活用してください。

(オルタブックス編集部+深沢英次)
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