[に-001]
蜷川実花(1972年生)
にながわ・みか
 多摩美術大学在学中より、いくつかの公募展で入選。とくに第4〜6回の「写真3.3m2展」(銀座ガーディアン・ガーデン)、第13回の「写真新世紀」(優秀賞受賞)で注目を集める。セルフポートレート、セルフヌードを撮る若い女性写真家は多いが、彼女の場合、とくに構成力と色彩感覚の冴えに突出したものがある。演技と日常が往き来する自写像に、時間や場所から剥奪された断片的な被写体が交錯する白昼夢的世界。セオリーにとらわれず自在にフォーカシングされた写真は、独自の距離感覚が魅力。そこにヴィヴィッドな色が絡む。長島有里枝ヒロミックス以降の女流として写真プロパーからの関心は高い。まだ大学院生だが、すでにかなりの雑誌媒体で作品を発表し、「仕事」も多くこなしている。主な作品集に『room key』(CD-ROM/インナーブレイン)、『シャッター&ラブ』(共著、インファス)など。
WEB 
http://www.canon.co.jp/cast/ncp/exhibit/ninagawaMain.htm
WEB デジカメマガジン CONTENTS
http://home.telestar.or.jp/~miki/html/digicam/digi_no1.htm


[に-002]
ニフティサーブ
nifty serve
 日商岩井と富士通の共同出資により、87年より開始されたパソコン通信サービスで、現在は約250万人の会員を擁している。基本的なシステムは提携先であるアメリカのCompuServeをベースにしたコマンド方式だったが、95年にはニフティマネジャーというグラフィック・インターフェイスの通信ソフトを配布し始めた。サービスの内容としては、電子メール、データベース、テーマごとの電子会議室ともいえるフォーラムやパティオの他、まだ不完全ではあるがインターネットへとの相互接続も果たしている。インターネットが普及した現在、ライバルであったアスキーネットや日経MIXは閉鎖してしまい、PC-VAN(現BIGLOBE)やASAHI-NETなどはインターネット・プロバイダとして再出発するという、商用パソコン通信サービスには厳しい時代を迎えているにもかかわらず、ニフティサーブは会員数を順調に伸ばし、“一人勝ち”を続けている。
 その理由はいろいろ考えられるが、コンテンツに対する課金方法が確立していないインターネットに比べ、ニフティ内では新聞記事の検索やさまざまなデータベース・サービスなど、ビジネス向けのコンテンツ・サービスが充実している点が挙げられるだろう。また、インターネットではその構造上、自分の出したメールがミッシング(行方不明)となることは避けられないが、ニフティの場合は一応ニフティ側が責任を持ってメールを届けることになっているため、仕事で電子メールを使う人からの信頼が高いこともある。
 しかし、97年にはアメリカでCompuServeを買収したAOLが日本進出を果たし、グラフィカルな通信画面とコンテンツの豊富さでニフティに挑戦状をたたきつけた。アメリカではCompuServe対AOLの闘いで、最後はAOLが勝利を迎えたわけだが、日本でのAOLはニフティとインターネットに挟まれ、相当苦戦すると考えられている。ビジネスマン指向のニフティとカルチャー指向のAOLという図式も成り立つが、最終的にニフティから個人ユーザーがどの程度AOLへ移行するかが勝敗を分けるだろう。
WEB NIFTY SERVE HOME PAGE
http://www.niftyserve.or.jp/


[に-003]
日本共産党
にほんきょうさんとう
 22年(大正11年)に誕生し、今も国会や地方議会で活動している社会主義政党。レーニンによるロシア革命の成功に刺激され、日本初の本格的なマルクス主義政党として誕生した。
 60年代より、ソ連、中国、北朝鮮といった同じマルクス主義政党と論争を繰り広げ、国内の新左翼諸派を「ニセ左翼暴力集団」と呼び、部落解放同盟とも激しく対立、孤高の政治活動を行うが、ソ連東欧崩壊、天安門事件といった逆風で一時期選挙でも敗北。この退潮傾向に危機感を感じ、無党派層を取り込もうと党のイメチェンを図ることになる。
 人気テレビディレクター、テリー伊藤の「浅草橋ヤング洋品店」に上田耕一郎副委員長が出演したことがきっかけで、彼の著作『お笑い革命 日本共産党』(飛鳥新社)に党を挙げて協力したのもその一つだった。テリー伊藤は「共産党はいつも言ってることは正しいけれど、人気のない学級委員のようなものだ」と主張。「選挙に勝つには、人気のあるヒーローを作りだすことだ」と提案した。党幹部もこの辺までは理解できたのだったが、本のストーリーに最高幹部陣を引退に追い込み青年党員による党内革命を持ち込んだことに、共産党は激怒。「赤旗」で決別宣言してしまった。
 社会党が自民党と連立を組み、新進党、民主党といった新党も野党として明確に自民党に対抗する姿勢を見せなかったために、唯一の野党という存在意義を高めて票を伸ばし、地方選挙でも善戦、国会でも議員数を伸ばしつつある。ものわかりのよすぎるおとなが大勢を占める今の世の中で、いつも正論を吐く“がんこおやじ”といった姿勢が、あらためて見直されつつある。
WEB 日本共産党
http://www.jcp.or.jp/
WEB 日本共産党を応援する京都の青年たちのホームページ(仮称)
http://village.infoweb.ne.jp/~fwht5737/index.htm


[に-004]
日本別注シューズ
にほんべっちゅうしゅーず
 アメリカの伝統的メーカーに日本の代理店(あるいはショップ)がカタログにはない独自のデザインをオーダーしてできたシューズ。レッドウイングのアイリッシュセッター・スェードモデルやナイキのトータルエアマックスなどがその代表例。かつて、日本の市場はアメリカ本国からするとミクロすぎて、カタログに載っている商品さえ未入荷だったが、近年本国をしのぐセールスを記録するようになり、発言力も強まった。最近ではヨーロッパのメーカーも巻き込み、さらに日本別注シューズは広がりを見せている。ただし、数が限定され、常にソールドアウト状態。これもまた日本別注シューズの人気に拍車をかける。あまりに売れすぎて、本国のメーカーが日本に向けてどっと出荷するようになるまで、このブームは続くだろう。
WEB index.html
http://home.dti.net/fairwind/


[に-005]
ニュー・クラシック・ソウル
new classic soul
 70年代の古きよきソウル・ミュージックへの回帰。ソウルを忘れかけていたソウル・ミュージックへの静かなるプロテクション。いわゆる「ブラコン」と呼ばれるサウンドが、メアリー・J・ブライジによってヒップ・ホップとの接点を密にした新たな「ヒップ・ホップ・ソウル」としてリプレゼントされたのが92年。その後多くのフォロワーが現れ形骸化したシーンに風穴を開けたのが、95年のディアンジェロの登場だった。マーヴィン・ゲイを彷彿とさせる甘い歌声、生楽器の感触を活かしたア・トライブ・コールド・クエストのアリによるプロダクション、そして何よりもその歌心。サントラ『High school High』で彼とデュエットを披露していたエリカ・バドゥは、『バドゥイズム』と題したアルバムで97年にデビュー。彼女の登場でソウル界のニューウェーブたち−−マックスウェル、エイドリアナ・エヴァンス、エリック・ベネイ、トニー・リッチ、サンドラ・st・ヴィクターらは、“ニュー・クラシック・ソウル”の名のもとに語られることとなった。「私の役割はソウル・ミュージックの再生。私と同じ気持ちでいるアーティストたちと一緒にソウルの蘇生を促すことね。今ちょうどそのアタマが見えてきたところかしら」(エリカ・バドゥ『Black Music Review』NO.225より)。
WEB Music --about New Classic Soul movement in '96 & '97
http://www.sfc.keio.ac.jp/~fooh/97/funk/history/soul.html


[に-006]
ニューズグループ
news groupe
 様々な話題を議論したり情報交換したりするために、インターネット上に存在する会議室。インターネットに接続できる環境にある人なら世界中から、専用のブラウザを利用して議論に参加することが可能。扱われている話題も音楽ならアーティスト別、動物なら種類別、セックスなら性嗜好別にといった具合に細分化されている。しかも、議論したり自分がしたい情報交換をする場所がなければ会議室を自分で設置することも簡単だ。また画像やデータのやりとりも容易なため、例えば死体写真や奇形の人物写真などの愛好家のためのalt. tastelessという会議室では、欧米ではタブー視されているロリータ物の画像が数多く手に入る。
 ちなみに本書『オルタ・カルチャー』の「オルタ(alt./alternative)」もニューズグループの会議室の名称に付く言葉で、例えば「music. jazz」という会議室で語られている内容がジャズ史やクールジャズの成立についてといった正統派の議論なら、「alt. jazz」ならフリージャズやコートニー・パインの新譜といった反主流派の情報交換のための会議室であると推測することができる。ニフティサーブのような商用ネット内の会議室と違い、世界各国の同好の志と、国籍を超えてやりとりができるニューズグループの楽しさはインターネットならではのものである。
WEB 


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