［わ-001］
WIRED（日本版）
わいあーどにほんばん
　米国の『WIRED』の日本版として95年に創刊したこの雑誌は、日本の雑誌界では独特な位置を築きつつある。米国の『WIRED』が元々はサイバーパンク寄りの、あくまでもデジタル文化に立脚した内容の雑誌であったのに対し、日本版の『WIRED』はその性格を受け継ぎながらも、いつの頃からか、日本のグラビア誌の中ではおそらく、いちばん記事ごとの文章量が多く、長い取材モノの記事が詰まったもっとも読みごたえのある雑誌になった。
　それは取材や文章に重点を置いている編集方針もさることながら、ほんとうならばそうした読みごたえのある記事を作るべきであるはずのもろもろの雑誌のページが、グラビアと風俗記事で占領され、そこまでしてもそのいくつかが廃刊になってしまった、という相対的な問題でもある。翻訳の記事や連載の署名記事は別にして、ノンフィクションというよりは専門分野の書き手によるジャーナリスティックな記事が多いためか、文章は硬めだ。
WEB　wired japan
http://www.hotwired.co.jp/


［わ-002］
若木信吾（1971年生）
わかぎ・しんご
　静岡県浜松市に生まれる。地元の高校を卒業したのち、渡米。写真教育で著名な、ロチェスター工科大学に学ぶ。卒業後『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』等で仕事をする。95年以降、ニューヨークと東京を行き来しながら作品を発表。『SWITCH』『エスクァイア』などのマガジンワーク、ファッション、広告などで活躍。日本のメディアに登場後は瞬く間に注目を集める存在となった。はやりすたりの激しい東京発のビジュアルの文脈とは無縁のところから独自の写真を撮り続けている。
　写真の主題は、主にポートレート。もともと、フォトジャーナリズムの登竜門として有名なエデイ・アダムスのワークショップに参加した経歴があるように、被写体への取り組み方はドキュメンタリー写真のアプローチを好む。大学時代に培った広告写真のテクニックがそこに洗練を加え、現在の若木の写真の魅力となっているようだ。代表的な仕事に、浅野忠信がモデルとなったタケオ・キクチのキャンペーン。作品集に、イラストレーター、マイク・ミンとの共同製作による『Let' s go for a drive』（光琳社）。
WEB　


［わ-003］
和田アキ子
わだ・あきこ
　日本を代表するソウルシンガー。現在では、芸能界の首領ドン的な存在として、「ゴッドねえちゃん」な活躍ぶりだが、本業である「シンガー・和田アキ子」を忘れていけない。68年のデビュー直後から70年代初期の音源は以前から、和モノ・レアグルーヴとして、一部DJなどによってプレイされていたが、和田アキ子に関しては、それら旧盤のリイシューが長らく実現していなかった。しかし、96年にコモエスタ八重樫によって選曲された旧作ベストは、ヤングの間に和田アキ子の「黒さ」を広く知らしめる結果となった。翌97年にはユナイテッド・フューチャー・オーガニゼーションらが手がけたミニアルバムも発売された。吉村明宏が「はのころは〜」とモノマネでネタにされる「古い日記」「真夏の夜のサンバ」「どしゃぶりの雨の中で」など、当時の歌謡曲が持つ独特の腰にくるグルーヴ感と、和田アキ子のまさに力強いヴォーカルの幸福な結婚はどうだ。彼女を日本のアレサ・フランクリンと評する声に異論を唱える者はいないだろう。
WEB　AKIKO WADA
http://www.horipro.co.jp/talent/001/index.html


［わ-004］
笑っていいとも！
わらっていいとも
　いま高校生のガキが生まれた頃からやっているフジテレビ系列お昼12時からの定番バラエティ番組。テレフォン・ショッキングのオープニングにおける、客とタモリの「今日外は暑いね〜」「そうですね!!」というコール＆レスポンスに生理的嫌悪感を抱き続けることができるか否か!？が、今も昔もクリエイターを名乗る人々にとっての試金石であるのは言うまでもない。
　私の記憶が確かならば、番組スタート直後のある日、テレフォン・ショッキングのゲスト席に何か思いつめたような暗い青年が座っていた事故トラブルがあったハズだ。97年のキーワード「20代無職」のイメージそのままみたいなヤツ。彼は言った。「喋らせてくれ！」。もちろんすぐにスタッフの手で排除されたが、あの時「いいとも的空間」はモロくも崩れ、その空間のいかがわしさが一瞬で露呈した歴史的瞬間だった。誰か、もう一度犯ってくれないか？
WEB　笑っていいとも資料室
http://www4.justnet.ne.jp/~n.masahiro/
WEB　RED PIMENT
http://www.mnet.ne.jp/~miyashin/rp/