[ろ-001]
64DD
64dd
 NINTENDO64用に開発された、ゲーム業界初のリライタブル・メディア。これまでのゲームメディアがリードオンリータイプであったのに対して、64DDは最高32メガバイトのデータがユーザーによって書き換え可能となる。これにより、ユーザーが独自にストーリーを組み替えられるRPGや、カスタマイズが可能なマリオカートなど、従来のメディア(CD-ROMやROMカートリッジ)では実現不可能だった新たなゲーム性を産み出すものとして注目されている。98年にはこのメディアを使った初のゲーム『ゼルダの伝説』も発売される予定で、今後、どのような活用がゲーム開発者によってなされるかが期待される。また、現在任天堂とIBMの協力により進められている「ゲームキオスク構想」との連動によって、将来的には、全国のローソンでN64用のゲームの書き換えが可能になる予定。さらに任天堂内部ではN64の開発者である竹田玄洋が中心となって、64DDとネットワークとの連動により、新たなゲームを構想中とのこと。これは、同社が実質的なオーナーである衛星デジタルラジオ「St.GIGA」とインターネット64DDによって連動させたゲームシステムになると予想される。
WEB 任天堂ホームページ
http://www.nintendo.co.jp/index.html
WEB 日本のゲーム事情
http://www.urban.or.jp/home/kibochan/miyakou/game/


[ろ-002]
ロッキング・オン系
ろっきんぐおんけい
 音楽評論家・渋谷陽一率いるロッキング・オン社の出版物を形容詞化した言葉。新宿のロック喫茶のDJを経て、渋谷がロック・ミニコミ誌、『ロッキング・オン』を72年に創刊。ロックンロールが本来持っていた初期衝動への愛情と、高校生前後の若者に絶大なる支持を得ていたNHKDFMの音楽番組「サウンド・ストリート」でのディスクジョッキーとしての人気を武器に、その後も次々と新雑誌を創刊。80年代後半、当時爆発的人気を誇った邦楽ロックアイドル誌『パチパチ』(CBSソニー出版)を、ほぼ一方的に仮想敵視して創刊された『ロッキング・オン・ジャパン』は、ミュージシャンに生い立ちから現在までを赤裸々に語らせる名物企画「20000字インタビュー」が有名。また、旧体然とした日本の映画雑誌事情に対し、『ローリングストーン』誌との提携で、スノビッシュに差別化を図ろうとした『CUT』。西海岸のカルト雑誌『リ・サーチ』を意識しまくった特集(94年の創刊号がセックスプロティション映画、2号がロリータ、3号目がSM)と、セックスフレンドから文通まで、個人交際情報を軸にしたノンジャンルな『H』は編集者の個人的な関心をプロフェッショナルな編集スタイルで提示する、と創刊当時の編集長・渋谷が明言した。そしてその傾向が更にエスカレートした『BRIDGE』は副タイトルが「季刊・渋谷陽一」。渋谷が企画、取材、編集、写真撮影まで一人で担当。彼の暴走は誰も止められないのか?
 最近創刊された『BUZZ』は、来日アーティストへのインタビューが中心で、エディトリアルデザインは西海岸のロック雑誌『RAY GUN』風。内容面に関して、本誌『ロッキング・オン』との差別化がいかに行われているのかよくわからないけれど、こうしたところを見ると洋楽雑誌はまだまだ需要の多いジャンルなのかも知れない。最近ではヒロミックスの写真集、吉川ひなのや緒川たまきのフォト&エッセイ集など、気恥ずかしいまでに旬の人物を取り上げた単行本の発行も積極的。このようにロッキング・オン系書籍が持つカラーとは、流行に対する渋谷個人のミーハー感覚と、スノビズム、そして何よりも商業的成功を持って読者を「渋谷(陽一)系」化しようとする、渋谷自身の強烈なパッションであろう。
WEB 


[ろ-003]
ローテクスニーカー
lo-tech sneaker
 ハイテクスニーカーローテクスニーカーは2〜3年周期で人気の波が入れ替わる。もともとローテクスニーカーは、メーカーがどんどん技術革新に取り組み、新しい機能満載のスニーカーを次々と送り出した反動で日の目を見てきた。とくに93年頃にはその勢いが強まり、各メーカー復刻モデルをリリースする事態に追い込まれる。ローテクスニーカーはハイテクとは異なり、いつ脚光を浴びたかは明確である。85年にヒップホップスター、ランDMCがアディダスのスーパースターを履いたのが事の始まり。以来、時代に逆行して古いスニーカーを履きたがる人々は後をたたない。90年代に入って、ヴィンテージ・デニムの人気と共にスニーカーもヴィンテージと呼ばれ始め、70年代のアディダスやナイキが注目を浴びた。以降、デニムと同様ヴィンテージ・スニーカーもプレミアがつきはじめ、エアジョーダンのファーストモデルは一時期10万円以上もの値がついたこともある。この異常なプレミアは、96年のナイキ・エアマックス騒動でピークとなり、今では沈静化しつつある。
WEB 


[ろ-004]
ローファイ&サバーピア番組
ろーふぁいあんどさばーぴあばんぐみ
 笑点」「パネルクイズ・アタック25」「ザ・スターボウリング」等、十年一日、いつ見ても軽いデジャヴュに襲われるほどな〜んにも変わらない番組の総称。画面全体にそこはかとなく漂うビンボ臭さと、いつまでたっても年を取らない錯覚に陥ってしまう出演者の顔ぶれに思わず「チャンラ〜ン」pツ林家こん平。
 激烈を極める視聴率戦争を勝ち抜いてきたこれらの番組を、各局で「重要文化財」番組に指定してみてはどうか? 在京キー局ひとつにつき一番組。その特典は「司会者が死ぬまで番組を続けられる」こと。ちょっぴりボケちゃって、あの独特の笑い声が止まらなくなった円楽さん。あっちの世界へイッちゃって虚空を見つめる児玉清。老人用オムツ着用ながら「ストライク!」を連発する仲本工事。まさに生ける屍となった司会陣が気力をふり絞って送る感動巨編!! 「24時間テレビ」の1000倍は泣けるハズだ。
WEB 


[ろ-005]
ローファイ/宅録系
lo-fi/たくろくけい
 ローファイ(Lo-Fi)はHi-Fiの反対語で造語。限りなくデタラメで限りなくヘナチョコで限りなくピュアな音楽と、そういうマインドについての言葉。あえて言うなら、楽器なんか弾けなくてもジャーンと鳴らした音が気持ちよければいいわけで、自分が面白ければギターの弦1本だって、軍手はめて弾いたっていいじゃない、というのがローファイ。そうこうしてると面白い音を見つけちゃって日々フレーズがあふれ出てくるから、日記を書くように曲を書いては録ってを繰り返し、膨大な量の楽曲をカセットでリリースしたり複数のレーベルから連発したりしてるのが宅録系。
 70年代から活動するゴッドファーザー・オブ・ローファイことジャド・フェア&ハーフ・ジャパニーズやペイヴメント、ゴッド・イズ・マイ・コ・パイロット(神は私の副操縦士という意)、トルーマンズ・ウォーター、Sun City Girls、Caroliner、Thinking Fellers Union Local 282、彼らとの共演も多いボアダムズや、ステージで縄跳びやシャボン玉をしちゃうナニワの女子高生3人組スーパーボールとか、今をときめく暴力温泉芸者なんかもそう呼ばれていたし、ベックはあまりに見事なキャラ立ちのおかげか時代の申し子。ミスターLo-Fiとしてメディアに取り上げられた。
WEB 中村一義
http://www.five-d.co.jp/nakamura/


[ろ-006]
ロフトプラスワン
loft/plus one
 ライブハウスの老舗「LOFT」グループを率いる平野悠氏の発案によって、95年7月に東京・新宿にオープンした日本初のトークライブハウス居酒屋。店の中央にコタツ型テーブル付きのステージがあり、卓上のマイクを使って「1日店長」とゲストが行うトークを毎晩ライブ・チャージなしで楽しめる(ドリンクの注文が入場料代わりに義務づけられている)。トークライブはステージが死角になる席にも店内モニターで生中継され、客席とステージとの間で激論が交わされたり、トークライブ終了後に有名ゲストと膝を交えて話もできることが醍醐味となっており、面白いトーク内容の企画を持ちこめば誰でも1日店長になれる。月間スケジュールは『噂の真相』『創』などで告知されるが、これを見れば日本のオルタナティヴ・カルチャーが見渡せると言われるほど、政治問題からエロまで様々なテーマが話されている。トーク・イベントの会場としては、使用料がかかるどころか、店が1日店長にその日の売り上げの2割までをギャラとして支払う良心店。同店には出版部もあり、トークライブ傑作選『TALKING LOFT』も発売されている。この店が知らしめたのは、何よりも声なき声の本当の声である。だめ連メンズリブ東京、右翼団体、自称クズたちの言い分までも、この店は積極的に吸い上げ、客の前に提示してきた。この店に行くと、報道規制の多いマスメディアに対して、自由な討論を守るトーク・イベントこそライブ・メディアとして見直されるべきことを再認識する。
WEB LOFT-ROOFTOP SESSION-
http://www.bekkoame.or.jp/~loft/#SCHEDULE


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