[ね-001]
ネオアイビー
neo ivy
 ヴィンテージ・ブームが一段落を見せ始めたことに先行きの不安を覚えたストリートファッション系雑誌や古着屋さんなどが提唱する、60年代初期のアメリカ東部の大学生スタイル。日本でも同時期に雑誌『MENSCLUB』によって輸入され、またたく間に全国で流行ったが、今再びアイビーを唱えているのは70年代中期にアイビーにはまった40代前後のオヤジたち。マスコミや供給サイドにもその年代のオヤジが中核を成し、懐かしさも手伝って、ブームになる兆し。ただし、60年代に日本のアイビースタイルを一手に引き受けていたVANの製品は脚光を浴びていないようだ。それには、これまで古着のバイヤーをやってきた人々がアメリカでの入荷ルートは確立したものの、日本での入荷ルートは全くもってないのが理由のようだ。果たして今後VANの古着が見つかるかどうかが、30年ぶりとなるアイビー・ブームのカギを握っていると言えそう。
WEB 


[ね-002]
ネットスケープ
netscape
 一般的にネットスケープという場合、ネットスケープ社が開発したwww用のブラウザ・ソフト、ネットスケープネットスケープ・ナビゲータのことを指す。ネットスケープ社はシリコングラフィックス社の創業者だったジム・クラークが、NCSA(全米スーパーコンピュータ・アプリケーション・センター)でソフト開発をしていた23歳のマーク・アンドリーセンと共に94年に設立したソフトウエア会社で、当初はモザイク・コミュニケーションズと名乗っていた(半年後にネットスケープ社と改名)。マーク・アンドリーセンがNCSAで開発していたのが、この「モザイク」と呼ばれたwwwブラウザだったが、ネットスケープ・ナビゲータはこのモザイクを大幅にリファインしたブラウザ・ソフトである。それまでのブラウザに比べて表示スピードが大幅にアップしたほか、カラー表示やフレーム、JAVAなどの新しい機能を次々に拡張していき、wwwブラウザのスタンダードとなった。また、開発途中版をインターネットで公開するなど、オープンな企業姿勢も支持者を増やすことにつながった。しかし、wwwブラウザソフトの標準化はインターネット全体の標準化につながるため、業界の覇者であるマイクロソフトもインターネット・エクスプローラを投入し、現在激しいシェア争いの真っ最中である。機能的にはどちらも一長一短なのだが、心情的に新参のベンチャーであるネットスケープ社を応援するユーザーもまだまだ多い。
WEB ネットスケープへようこそ
http://home.jp.netscape.com/ja/


[ね-003]
ネットマガジン
net magazine
 主にwwwの形で提供されるインターネット上の雑誌。画像、テキストだけでなく、音声や動画等を扱うことができ、なおかつハイパーリンクの機能を利用して、他のウェブをデータベース的に利用することも可能だ。また更新、改訂なども必要に応じてできるので、印刷されて完結する従来の紙の雑誌よりも自由度は高い。よって現在のネットマガジンの主流は、既存の雑誌が速報性の高いネットマガジンの特性を生かし、次号が発売される前に最新情報を流すケースで、とくにコンピュータ系の雑誌や日本の主要な新聞など、こぞってウェブを立ち上げている。アメリカのホットワイアード、日本ではアスキーのマックウィーク・オンライン・ジャパンなどが代表格。しかし欠点も多い。wwwの構造上、情報が直列的に配置されているために、必要な情報にすばやく手を伸ばすことは簡単だが、今まで興味のなかった話題をたまたま目にして関心を持つ、とか、飛ばし読みをして短時間に多くの情報をチェックしたり、といったことを行うのは、今のところ非常に難しい。デザイン上の制約もまだまだ多く、もちろん文字量やデータ量が増えれば見た目のボリュームは増えるが、表示に時間がかかったりダウンロードに多くの時間を費やす羽目になる。もちろん雑誌のように何冊か積み上げて枕にすることもできない。
WEB 


[ね-004]
ネムキ
ねむき
 朝日ソノラマ発行の隔月刊マンガ誌。誌名として異彩を放っていた『眠れぬ夜の奇妙な話』(B5判)が発展・改題したもの。集英社『ぶ〜け』がリニューアルされてA5判からB5判へと大きくなって以降、一人気を吐くA5判の少女向け雑誌だ。雑誌のキャッチフレーズは、例えば「オモシロ不思議いっぱいの少女コミック誌」というものだが、対象読者は『ぶ〜け』と同じく、「少女」というよりは高年齢層(中学生からOLまで)を狙ったラインナップであると映る。最近のレギュラー執筆者とその作品に、伊藤潤二『シリーズ潤二の絶叫コミックス』、今市子『百鬼夜行抄』シリーズ、川原由美子『観用少女プランツ・ドール』、JET『綺譚倶楽部』、篠原烏童『週末に会いましょう』シリーズ、TONO『ナバナバパラダイス 犬童医院繁盛記』、波津彬子『雨柳堂夢咄』、諸星大二郎『栞と紙魚子』シリーズなどがあり、どれも高い評価を受けている。
 マンガの面で、朝日ソノラマという会社のイメージを作っている作家に、恐怖マンガの第一人者・楳図かずお(『こわい本』シリーズ)、ファンタジーの紡ぎ手・ますむらひろし(『アタゴオル物語』、『賢治に一番近い』シリーズ)の二人がいるが、彼らの持つテイストを全面に満たしたような味わいが「ネムキ」には感じられる。すなわち、深層に訴えるホラー、良質の幻想譚に出会える雑誌である。
WEB Welcome!
http://www.releenet.co.jp/userpages/Jam's_Park.html


[ね-005]
根本敬(1958年生)
ねもと・たかし
 特殊漫画家大統領、勝新太郎原理主義者。81年に『月刊漫画ガロ』に「青春むせび泣き」で入選し、デビュー。82年に湯浅学・船橋英雄と「廃盤水平社」結成、同年「幻の名盤解放同盟」名義で廃盤クロスレビューを開始。83年童貞作品集『花開く家庭天国』上梓。97年までに発表された漫画単行本には『固い絆のブルース』『Let's go 幸福菩薩』(マンガ界初の死体漫画を袋綴じで収録)『生きる』『生きる2』『天然・甲篇』『天然・乙篇』『怪人無礼講ララバイ』『龜の頭のスープ』『学ぶ』『豚小屋発犬小屋行き』『キャバレー妄想スター』などがある。ほかに、語り下ろし本『因果鉄道の旅』、自作のキャラクター(=因果者)がそのまま現出したような人々との交遊録を描いた『人生解毒波止場』、ビデオ監督作品に『さむくないかい』がある。
 一貫しているのは、因果な現実を生きる人間の地続きとしてのキャラクターを、漫画や本で描いてきたことだろう。根本の漫画は一部にカルト的に支持されており、『豚小屋発犬小屋行き』(91年)には電気グルーヴ石野卓球が解説文を寄せ、93年にはアメリカの『PICTOPIA』誌に「21世紀の精子ン異常者」が英訳掲載され、96年にはアメリカで出版された『Comic Undergroud Japan』(『ガロ』出身作家を中心にしたアンソロジー)に「未来精子ブラジル」が収録されるなど、米アングラ・コミック界にも衝撃を与えている。国内で発表される漫画作品には絶版も多いが、文庫での復刻もある。裸のオヤジ、内臓、糞尿、チンポ、精子の海……など、描かれる絵はキタナ系(汚い)ものだが、それゆえに聖なる業が浮かび上がる逆説的な魅力がたくましい。
WEB 


[ね-006]
ねるじぇら
ねるじぇら
 97年3月、雪印乳業から発売された、本格的な味を追求しつつ食べ方の提案までしてしまった、新需要創造型アイスクリーム。名前は「ねるとジェラートショップのジェラートに早変わり」を短縮したもの。「ねるねる、じぇらじぇら」と連呼する、チャイドルの野村佑香を起用したCMは、ラッキィ池田の奇妙な振り付けの印象も手伝って、97年を代表するインパクトある作品として話題を呼んだ。このCMは表面的なイメージのみ語られることが多かったが、実は「新需要創造型」という基本コンセプトを忠実に表現したものだったのだ。この商品の最初の出発点は、ジェラートのように柔らかく粘りのある組織を作るにはどうすればいいかということであった。冷凍庫から出した直後でもスプーン通りがよいほどの柔らかさを作ることは独自の技術で可能としたが、残るは舌触りのよい粘り。そこで消費者が実際練ることで粘りを出し、自分独自の味を創造したらどうかという結論となる。つまりあのCMは、練るという面倒な行為を積極的な楽しみとして消費者側に提案するための、きわめて効果的な装置だったわけだ。結果は年間の目標売上げ20億円をはるかに上回り、30億円に達する勢いとなった。
WEB SNOW BRAND
http://www.japan.hosting.ibm.com/snow/snowmenu.htm
WEB 野村佑香ちゃんのページ
http://www.netlaputa.or.jp/~sniff21/yuuka.html


inserted by FC2 system