[き-001]
キシリトール
xylitol
 長い間虫歯の元凶とされてきたチューインガムを、各国の歯科医師会が推奨する虫歯予防のアイテムへと一変させてしまった天然素材甘味料。虫歯の原因といわれるミュータンス菌の活性を弱め、さらに減少させる作用があり、虫歯を予防する効果があると専門家も認めている。口腔内に長い間留まり、唾液の分泌を促すチューインガムがデンタルケアの点では最適といわれ、フィンランドでは虫歯予防教育として、食後にキシリトール入りのガムを噛むよう児童に指導しているほど。キシリトールキシリトールはイチゴやプラムなどに含まれる自然界に存在する五単糖の糖アルコールで、具体的な製法としては白樺の木などから抽出した物質を水素添加して作られる。日本では医療品や化粧品の原料として20年以上も前から使われていたが、1997年4月、厚生省から食品添加物として指定を受けたことがきっかけで、同年、ロッテを初めとして続々と各社がガムやトローチとして商品化、一種のブームを巻き起こした。甘味のある嗜好品の概念を根底から覆してしまったようだ。
WEB トピックス キシリトールで虫歯は防げる!?
http://www.minc.or.jp/~k-dent/xylitol.htm
WEB Trident シュガーレスプレス/トピックス
http://www.dik.co.jp/Trident/topic/topic.html


[き-002]
北野武(1947年生)
きたの・たけし
 独自の映画言語を駆使して世界中の映画ファンを魅了する国際的な映画作家。日本では芸人「ビートたけし」のイメージが強すぎるために映画監督としての実績もつい色眼鏡をかけて語られがちだが、すでに海外、とくにヨーロッパでの監督「北野武」の評価はすこぶる高い。
 説明的な台詞や画面を極限まで削ぎ落としたストイックな語り口。お約束にまみれた自堕落なハリウッド映画にはない、予断を許さぬストーリー展開。スクリーンに炸裂するアクションの呼吸と痛みを伴った暴力描写。青を貴重にしたシンプルで大胆な色彩設計(『ソナチネ』に顕著なこの「青」を、ヨーロッパの批評家たちは「キタノ・ブルー」と名付けているらしい)などなど。いったいこれだけの演出をどこで学んだのかという問いに、北野武は「今までテレビでコントの演出を何百本、何千本とやってきたから、役者の出入りのタイミングや動かし方とか、そこにある小道具を効果的に使った演出なんかなんでもない」と答えている。とくに台詞に関しては「漫才師という喋る仕事をしてきたから、なるたけ必要最低限のエッセンスだけでいい。たいていの映画やテレビは喋りすぎ、説明しすぎだ」と断言。
 通常の映画では、俳優の都合によって、シナリオに書かれたのとはバラバラの順番で撮影は進んでいくのだが、北野武監督の場合はほとんど順撮り(シナリオに書かれた順番通りに撮影するやり方)が行われ、台詞だけでなく、シナリオの設定や場面そのものが変更されてしまうことが多い。一種の即興演出である。『あの夏〜』以降は、編集も自ら手懸けるようになり、撮影終了後、編集段階でさらに映画がシナリオから離れたものになる度合いが強まった(ちなみに新作『HANA-BI』では14回も編集をやり直したという)。
 こうした北野武の映画監督としての才能に、クエンティン・タランティーノやジョン・ウー、ウォン・カーウァイといった今最前線の監督たちも称賛を惜しまない。最新作『HANA-BI』が日本映画としては、黒澤明監督の『羅生門』、稲垣浩監督の『無法松の一生』に次いで39年ぶりにヴェネツィア映画祭グランプリ(金獅子賞)に輝いたことで、ようやく日本でも監督・北野武について真っ当に語られる日がやってくることを期待したい!
WEB オフィス北野
http://www.trans.or.jp/OFFICE-KITANO/


[き-003]
キッズコレクション
kids collection
 『CUTIE』『Zipper』などいわゆるストリート・ファッションを扱っているティーン誌では、どの雑誌でも絶大な人気を誇るコーナー。たとえば『CUTIE』の場合、コンサート会場やクラブ・パーティーといった場所で、そこに集まった一般のオシャレなあるいはキテレツな(?)とにかく目立っている「キッズ」のスナップ写真と、彼女、彼らへのアンケートというきわめてシンプルな構成はおそらく10年前の同誌創刊時以来、不変のものだろう。なぜ、この単純な構成の企画がこれほどまでに長い間、支持されつづけているのか?
 それは、ここに登場する「キッズ」たちが、浮世ばなれした服装をしているほど「実際にそんな格好をしている人がいる!」「自分と同じ(ような)服を着ている人が出ている!」というリアリティとシンパシーを、読者の側に与えつづけているからではないか。一般のファッション誌やプロのスタイリストが絶対に相手にしないようなブランドまでが続々と登場するこのページは、「キッズ」たちのファッション対するレアな欲望と圧倒的なナルシシズムを刺激しつづけている。
WEB 


[き-004]
キティちゃん
きてぃちゃん
 97年コギャルを中心にどうかと思うくらいのブームになったサンリオのキャラクター。もともとニューヨークの“大人になりたくない病”ガール・ブームの一派やクラブのゲイ、加えて日本ブーム(テクノのジャケットに漢字が使われる類の)により、数年前からモンドでキッチュなイコンとして一部で盛り上がりを見せていた。海外ミュージシャンのキディランド参りも有名。大人計画の宮藤官九郎の芝居のチラシでは去年ギリギリその意味でのキティちゃんが描かれている。そののち大貫卓也による小泉今日子の偽キティちゃんで噛み砕かれ、早いギャルとマーケティングの追いかけっこ(シャネルを模したピンクのキルティング商品を作るなど)、絶妙なタイミングでの華原朋美ら有名人の援護射撃も効いて、結果めでたく大ブレイク。結局モノやコトは「アートとしての目線(経済が動かない)」と「実用としての目線(経済だけが動く)」のブレンド具合が消費者のお気に召した時だけ商品として成立する。今年はキティ以外でもキャラクターの当たり年で、ミッフィー、ドラえもんなどが健闘した。サザエボンの暗躍も象徴的だったが、まさかクレクレタコラを復活させるとは! ブースカでもギリギリだと思ってたのに。この辺りはうまくいけばキューティ少女のアンチ・コギャルの勲章になれるんだろうか。
WEB Come On,Join Us!
http://www.sanrio.co.jp/


[き-005]
逆援助交際
ぎゃくえんじょこうさい
 男性が女性を相手に交際やセックスをすることで金品を受け取る行為。10代の少女たちが援助交際で稼いだ金の流れた先が、結果として、彼女たちと同世代で彼女たちより金に不自由している男性であったりする。それも、彼氏ではなく、友人やよく遊ぶ友達レベルの男性と一緒に遊んだり飲食したりする場所(クラブや酒場、カラオケなど)で、女性が率先して勘定を持つあたりが新しい。彼女たちに“貢いでいる”感覚はなく、彼女たちが母親経由で父親から借りる「ママローン」という事実上返済無用の借金と同様、「(男に金が)ないから立て替えてあげるだけ」だ。
 こうした少女との付き合いを意識的に試みる10代後半から20代前半の男性が90年代後半から増えはじめ、Q2の伝言ダイヤルを利用しては「援助交際のパパ」ならぬ「ママ」募集をし、彼女にデートやセックスの相手をしては万単位のお金を受け取っている。97年には「彼氏代行業、出張ホスト」という肩書の名刺を作って友人の女性たちを通じて配りまくったり、個人情報誌『じゃマ〜ル』で恋人募集の名目で女性と出会うなどして、2カ月で16万円以上も売り上げた予備校生も報告された。逆援助交際が従来のヒモと違うのは、金を渡す女性側の“貢いでいる”という意識が、金額に関係なく一様に稀薄であることだろう。逆援助交際を行う男性側に「自分が共依存タイプである」という自覚がなく、お金を受け取ることでだんだんダメになっていくという危機感が稀薄であるのは、今も昔も変わらないようだ。


[き-007]
キャラクターノベル
character novel
 ティーンエイジ文庫の中から生まれた傍系的小説文化。その特徴はアニメーションとテレビゲーム文化(RPG)の影響を色濃く反映した世界観と、キャラクターの作りこみにあり、人気ゲームのキャラクターや世界観を踏襲したノベライズや人気コミックのノベライズもこの形態の中に含まれる。テキストだけでなく、カバーイラストや挿し絵のキャラクターの魅力によっても購買が大きく左右されることも大きな特徴であり、このため小説の執筆・編集もイラストレーターとの同時進行によるモノが多い。最近では『ときめきメモリアル』がヒットとなった「電撃文庫」や「富士見ファンタジー文庫」、「朝日ソノラマ」などがその代表格に挙げられるが、近年のアニメ、ゲームブームとともにティーンエイジャーの中で急速にファン層を広げ、30万部から50万部を平均的に売り切る人気作家も少なくない。
 このジャンルを支える代表的な作家としては、あかほりさとる、水野良、深沢美潮の三名が挙げられるが、3人それぞれが小説の中に他のメディアの文法を取り入れ、独自のスタイルを確立することに成功している。あかほりさとるはアニメの脚本家であったという前歴から、「ドカーーーーーーン」という“文字効果音”に代表されるアニメーション的なシーンを想起させる独自の文体を産み出しており、水野良はテーブルトークロールプレイングのスタイルを活かした構成(精緻に組み立てられたファンタジックな世界観と各キャラクターを際立たせたシーンの重ね合わせ)により、壮大な世界の広がりを生み出した。また、深沢美潮はテレビゲームのRPGでプレイヤーが味わう感覚(魅力あるパーティーとともにファンタジックな世界を旅する)を小説の中に見事にトランスレートしている。こうした小説の中にはアニメーションやゲームの企画と並行して生み出されるモノも多く、今後もアニメ、マンガ、ゲームといった他メディアとの異種交配(メディアミックス)によって、純文学や大衆文学といったジャンルとは異なるテキスト文化の進化形態を紡いでいくと予想される。
WEB Media Works WWW site
http://www.mediaworks.co.jp/
WEB 深沢美潮のホームページ
http://www.vuni.ne.jp/~fuzzball/index.html


[き-008]
キャンプ/キャンピー
camp/campy
 とてもこのような少ない文字量では語り尽くせぬような……、否、言葉では決して語ることができない概念であり、ゲイが培ってきた偉大なる真理。フィリップ・コアに言わせれば「真実を語る嘘」。それこそがキャンプ(形容詞形がキャンピー)なのである。それは、ユーモラスで、皮肉っぽく、大仰で、ばかばかしいゲイ同士の会話の中にも見いだされる。たとえば、口うるさいオネエさんが貴方を褒めたとしよう。「あら、ステキに趣味のいいシャツね!」と。でも、うっかり「ありがとう」などと言ってはいけない。そんなことをすれば、きっとそのオンナは「悪趣味も趣味のうちだからねぇ」と切り返してくるに違いないからだ。だからこの場合、「貴方の男の趣味ほどではございませんわ……拝見したことございませんけど」と応えるのがキャンプな会話というものだ。しかし、こうした毒舌をゲイは楽しんでいるのだということを忘れてはならない。
 キャンプとはもともと、ゲイが自分たちを抑圧してきた差別の構造をひっくり返してしまうためのレトリックとして生まれたものだ。「お前、オカマなんだって。気持ち悪りぃなぁ。もっと男らしく、シャキッとしろ」と言われたら、敢えて思い切ってクネクネとしなをつくり、「そんなことできないわ! だってアタシ、オカマだから男らしくなんてできないモン!!」「男らしい人は、アタシたちみたいなか弱いオカマを苛めたりしないものよ!」と陽気に言い放ち、相手の敵意を挫いて、笑いの煙に巻いてしまうのがよい。真っ向から無理解な馬鹿ノンケの相手をすれば、彼らの差別の構造の中にのみ込まれ、ただ、キーキーと声を張り上げるだけのルサンチマン・オカマに成り下がってしまうからだ。ここはひとつ、自嘲的なまでの自意識バリアを張りめぐらせて、その相手がオカマに馬鹿にされる姿を映し出して見せつけてやればいい。キャンプとはゲイの抑圧と自己嫌悪の所産であり、ゲイを敵対する社会でのサバイヴァル術なのである。
WEB 


[き-009]
Q Front
q front
 21世紀幕開け前夜、マルチメディア・ショーケースとして渋谷に誕生するエポック・メイキングなプロジェクト。渋谷を中心とした地域に2万人住んでいるデジタルな生活を送る人々にとって、デジタル・マーケットとなり、ファクトリーとなっていく。渋谷の街は、アメリカのソーホーのようにジャパニーズ・シリコン・アレーの中心地点としてデジタル生活圏となる。
 Q Frontは、建築という時代遅れの概念を持たない「不在建築」を目指す。この“建築というパッケージを持たない非建築的建築物”は、その新しい住居スペースとしてもふさわしい。彼等にとって重要なことは、装飾的なデザインや建築概念等よりも、電気の容量や、コンセントの位置や、光ファイバーの入り口やパラボナ・アンテナの有無といったハイテク環境である。それらが整っている広いスペースが求められている。M.マクルーハンは、「一時代前のメディアがアートになる」と言い、「新しい電子テクノロジーがもたらした相互依存関係が、地球全体を一つの村に再創造する」と書いた。とすれば、Q Frontは、建築という古いメディアを決定的にアートそのものに変える革命的な実例になるだろう。同時にその誕生は、マルチメディア、デジタル・テクノロジーを核にした、オンライン・ネットワークの中心地点に、デジタル・マーケット&ファクトリーが生まれることも意味し、その波及効果は、その想像力とエネルギーに性格に比例すると言える。
WEB 


[き-010]
京極夏彦(1963年生)
きょうごく・なつひこ
 難読漢字を多用するミステリー作家。94年、『姑う獲ぶ鳥めの夏』でデビュー。『魍魎の匣はこ』『狂骨の夢』『鉄鼠の檻』『絡新婦じよろうぐもの理ことわり』と、講談社ノベルスで次々と話題作を発表。しかも、巻を重ねるごとに、小説はますます長くなり、ほとんど煉瓦のような体裁となっている。そのため、カッターで2分冊、3分冊にする読者も続出とか。難解な漢語と独特の文体、そして本の厚さから、一部のミステリーファンには敬遠されている。連作はいずれも戦後間もない日本が舞台。起きる事件は残虐かつグロテスクである。探偵役の「京極堂」という青年は、古今東西の書物に通じた文字通りの博覧強記で、作者自身の分身と思われる。時代設定や起きる事件は横溝正史を髣髴とさせるが、京極の創作の焦点は事件の背後にうごめく妖怪にある。よって、京極のミステリーは別名、妖怪小説とも呼ばれる(京極は水木しげるの熱心なファンとしても知られる)。97年、中央公論社から『嗤う伊右衛門』を発表。これは四谷怪談をリメイクしたものだが、元にしたのは鶴屋南北の『東海道四谷怪談』ではなくて、さらにその種本となった『四谷雑談集』(作者不祥)だった。京極夏彦はグラフィックデザイナーでもあり、自著だけでなく、作家仲間の書籍のデザインまで手掛ける。なお、人前に出るときは黒づくめの衣裳と指先のない黒皮手袋を忘れない。
WEB 京極夏彦ネットコミュニティ
http://www.kyogoku.com/


[き-011]
旭鷲山(1973年生)
きょくしゅうざん
 四十八手裏表を駆使して暴れ回るモンゴルの英雄。本名ダヴァー・バトバヤル。モンゴル・ウランバートル出身。92年大島部屋に入門し同年春場所に初土俵。その後好成績を続け、95年春場所にはモンゴル出身者としては初の十両に昇進し、96年秋場所に新入幕を果たした。スピード感あふれる動きで多彩な技を繰り出す雄姿は「技のデパート」の異名をとっている。まさに旭鷲山はモンゴル相撲からの黒船であり、相撲界にとって新たなカンフル剤となった。“礼に始まり礼に終わる”相撲界ではガッツポーズは御法度とされているが、旭鷲山は大一番を勝ったとき思わず右手を上げてガッツポーズとってしまうことがある。その行為は関係者からは批判的だが、観客からは支持する声も多い。すでにモンゴルでは国民的英雄で、96年夏に帰国した際には空港に多数の警備が付き、副大統領にも接見した。ウランバートルでは旭鷲山の一番がテレビ放映される時間になると街に人がいなくなるという。ちなみに得意なカラオケのナンバーは山本譲二と吉幾三だそうだ。
WEB 財団法人日本相撲協会
http://www.sumo.or.jp/
WEB 大相撲ホームページ
http://www.wnn.or.jp/wnn-t/


[き-012]
金田一少年の事件簿
きんだいちしょうねんのじけんぼ
 画・さとうふみや、作・金成陽三郎のマンガ。名探偵・金田一耕助(横溝正史が生んだキャラクター)の孫であるという設定の高校生・一はじめが、じっちゃん譲りの明晰な頭脳で猟奇的な難事件を解決してゆく。連載の途中に犯人(真相)当て懸賞クイズが盛り込まれ、万単位の応募者があるという『週刊少年マガジン』の人気作。マンガ界に推理ものブームを起こし、実写化、TV・劇場用アニメーション化もされている。一は、猟奇事件とその死者に遭遇した数のマンガ史上の記録を更新中。
 もともと『週刊少年マガジン』(59年創刊)は「編集者はプロデューサーである」という(当時)革命的な考え方から出発した雑誌で、初期の大ヒット作『巨人の星』(川崎のぼる/作・梶原一騎/66年)も、編集部と作家が1年以上の準備期間をかけて生み出したものだ。その伝統を受けた『金田一〜』は、編集者主導の集団制作型マンガの代表作品となっている。連載でマンガを描く際には数人のアシスタントがほぼ確実に必要となるが、本作ではさらに「原作」にもスタッフ制を引いた。担当編集者は原作者集団とともに案を練り(92年の連載開始時は、編集者が一人で原作を書いたという)、別にマンガ用原作にリライトする役(金成)を設け、マンガ家(さとう)は画の面で演出を担当する。
 売り上げを考えるならば、週刊マンガ誌では1本たりとも面白くないマンガが載っていることは許されない。雑誌は、マンガ家はもちろん、編集者にとってもシビアな戦場である。だが、この方式を多用されると、マンガ家がマンガに関与する領域が狭まり、そのパワーが画面上に解放されることは少なくなるのではないか。マンガが本来持つ猥雑さと無縁の作品が量産されてゆくのではないか、と懸念される(こういったことを切り捨ててこそ生まれた制作方式ではあるのだが)。
WEB 


[き-013]
金玉ファック
きんたまふぁっく
 金玉(陰嚢)を紐で縛り上げたり、コックリング等を用いて棒状にして、それをペニスに見立てて肛門に挿入するゲイ・セックスのヴァリエーション。相手をファックしながら、自分のペニスをしごいたり、別の人間にフェラチオさせたりすることのできる「一粒で二度美味しい」プレイである。Tom of Finland社のビデオ作品『The Wild Ones』でも見られるこの行為は、ペニスの付属物としか考えられることがなく二義的な快楽器官であった金玉(睾丸)が、性行為のメインストリームに躍り出た画期的な事件といえよう。金玉ファックは男根至上主義セックスの崩壊であり、男性がセックスにおいて感じる「強迫神経症的勃起願望」からの解放を意味する。
 金玉を使えばペニスが勃起しなくとも結合が可能、つまりインポテンツであってもセックスができるのだという事実は、多くの男性からセックスの不安を取り除くであろう(もっとも、セックスを穴と棒の結合としか考えていない男性にとってだが……)。なお、このプレイでは精液を相手の体内に放出することがないため、とてもセイファーなセックスの一つでもある。
WEB 


[き-014]
金融ビッグバン
きんゆうびっぐばん
 2001年までに日本の金融市場がニューヨーク、ロンドン並みの国際金融市場として復活することを目標とした、金融システム改革。96年11月に橋本内閣が打ち出したもの。「日本版ビッグバン」ともいい、フリー(Free)、フェア(Fair)、グローバル(Global)という3原則にのっとり、外為法の改正を含む徹底した規制緩和、自由化を図る抜本的な金融改革を目指したものである。
 この背景には、かつて世界3大金融センターにも数えられた東京市場が90年代に入って伸び悩み、ローカル化、つまり金融の空洞化現象を引き起こしてしまったことへの深刻な危機意識があるだろう。戦後日本の経済成長を支えた日本型資本主義、官僚主導による護送船団方式が完全に行き詰まったとの認識が根底にあるのだ。75年のアメリカの改革(米国メーデー)、そして86年にイギリスのサッチャー首相が行った改革(このとき初めて「ビッグバン」という言葉が使われた)によって、彼らアングロサクソンは世界の経済を牛耳ることに成功した。21世紀、日本人も自らをアングロサクソン化し、終身雇用や年功序列といった日本的な制度を捨て、いわば個の責任において厳しい自由競争の社会を乗り切らなくてはならない。「金融ビッグバン」が単なる経済政策ではなく、日本人に意識変革を迫る民族的なターニングポイントになるであろうことを本当に理解している人はまだまだ少ないようだ。
WEB ビッグバンの研究
http://www2.justnet.ne.jp/~hihi/BIGBAN.HTM


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